MONTHLY REPORT · 2026 年 9 月号
入れて終わりにしないために見ているもの
AI/DX 現在地レポート ・ 公開 2026-10-07
9 月号のテーマは「評価と改善」です。AI や仕組みは、入れただけでは成果につながりません。毎日使われているか、現場の声はどう変わったか、売上やコストにつながっているか。100 本目のプロジェクトを始めた 9 月の社内の取り組みも交えて、内田に聞きました。
第1章 なぜ「評価と改善」なのか
Q8 月号は「定着」でした。その次に「評価と改善」を置いたのはなぜですか。
前回の「定着」と今回の「評価と改善」は、実は表裏一体のようなものだからです。どちらが欠けてもうまくいきません。
DX や AX(AI による変革)を進めるとき、ツールを入れて「はい、完了」とはなりません。実際に運用してみると、改善や手直しがどうしても出てきます。だからこそ、いまどうなっているのかをしっかり評価して、現在地をつかむ。そこから改善していくプロセスが、とても重要だと考えています。
入れただけで終わってしまうことも、けっこうあります。手段を目的にして終わらせずに、求める成果や経営の目標につなげる。現場にどう合わせ、どう定着させるか。そのために、評価と改善があります。
Q定着したあと、現場では何が起きていますか。
この問いの立て方が、少し違うのかもしれません。定着させるために、評価と改善をやっていく、という関係です。入れたあとに、どこを直さないといけないのか、どこが足りていないのか、どこは満たしているのかを評価して、改善につなげる。定着したあとも改善をし続けることが、形だけのものにしない、「導入したから終わり」にさせないために大事だと思っています。
QAI や仕組みを入れたあと、「うまくいっている」と判断するとき、何を見ていますか。
まず数字で言うと、利用率です。毎日使っているかどうか。意識しないくらい身近になっていることが必要なので、利用率などの数字は重視しています。
現場の様子も見ています。最初はどうしても「使いづらい」「今まで使っていたものと違う」という声が出ます。それが 1 か月くらいたつと、だんだん変わってくる。なので、1 か月ほどたってからのほうが、きちんとした評価ができると思っていて、その様子はよく見ています。
何より、現場の方々がしっかり使っているか、不便なくやれているか。それが一つの指標になると考えています。現場の方の声は、重視しています。
編集部から ─ DSS2.0 に翻訳すると
今月の DSS2.0 翻訳:評価と改善を回す 3 つの役割
今月の話を DSS2.0 の役割に照らすと、評価と改善を回す仕事は 3 つに分けて読めます。導入の前に、何をどの数字で評価するかを決め、生産性・売上・コストが結果につながっているかを見るのは、ビジネスアナリストの仕事です。利用率や現場の声を見ながら足りないところを洗い出し、改善を重要な業務として回し続けるのは、プロダクトマネージャーにあたります。AI の出力やレビューの指摘を、事実と照らして採るかどうかを決めるのは、AI ガバナンスの役割です。中堅企業では一人が兼ねることもありますが、3 つを分けて意識すると、「入れて終わり」を避けやすくなります。
今月スポットライトする役割(DSS2.0)
自社に置く役割と、外から補う役割から、現在地を読む
ビジネスアナリスト
中小企業で言うと:現場の業務課題を、AI や仕組みへの要件に翻訳する人。
なぜ今月:何を評価するかを先に決め、生産性・売上・コストが結果につながっているかを見る役割です。内田は、指標を決めずに「とりあえずデータを取る」と後手に回る、と話しています。
最初の一歩:現場の困りごとを1つ選び、関係する業務フローと使うデータを図にしてみる。
この観点で、自社の現在地を 5 分で診断する
「定着・推進体制」を含む 5 軸で、自社の現在地を数値化します
本レポートの読み方・出典
このレポートは、経済産業省・IPA などの公開資料をもとに、中小・中堅企業の経営の現場向けに FiveVai が読み替えたものです。公的な資料の要約というより、自社の現在地を考えるための、実務に寄せた読み替えとしてお届けしています。
- 経済産業省 公開資料
- IPA デジタルスキル標準(DSS2.0)
- FiveVai 社内 PoC 観察ログ
数値・制度・定義は、出典の資料を優先してください。FiveVai の見解は、実務に当てはめるための解釈として載せています。