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特集 · 100 本のプロジェクト · 第 0 回 / 全 8 回

100 本のプロジェクトの地図

8 か月で 100 本を始め、直近 30 日にも 44 本で更新があった。実演として公開しているのは、そのうち 6 本。まず、数え方と増え方から。

2026 年 10 月 1 日(木) 公開

2026 年 9 月 23 日、100 本目のプロジェクトを始めました。

仕事の中で思いついたことを、AI エージェントと一緒に形にする。小さく試し、必要なものに手を入れ、その経験を次のプロジェクトへつなぐ。そうして始めたプロジェクトが 100 本になりました。

この特集では、その広がりと、開発を続けるために整えてきた指示書や仕組みを、記録と振り返りから紹介します。記録から分かることと、私の解釈とは分けて書きます。

この特集は 8 回で、毎週 1 本ずつ出します。対象は最初の 100 本です(数字は 9 月 25 日時点。そのあとに始めたものは含めません)。各回の最後には、振り返り(こうすればよかったこと、一般的なやり方と比べて、次に試すこと)を置きます。

第 0 回の今回は全体の地図です。何を「1 本」と数えたのか。どう増えたのか。いくつが動いていて、いくつを公開しているのか。

最初の100本の全体像。直近30日に更新があったのは44本、Labの公開実演は6本。分類は支援先との実証35本、社内の業務・経営25本、自社サービス12本、道具・基盤・下見11本、個人・ファミリー向け10本、学び・研修7本。2026年9月25日時点。

図を拡大して見る

図の44本と6本は、100本をそれぞれ「更新」「公開」の切り口で見た数字です。足し合わせる内訳ではありません。また、分類上の「自社サービス12本」と「このLabの公開実演6本」は別の集計です。更新の有無は実稼働を示すものではなく、詳しい定義は以下で説明します。

1 本の数え方

作業フォルダの直下にあるフォルダ 1 つを、1 本と数えています。

中身はさまざまです。

  • 半日で終わった下見
  • 支援先と一緒に回している実証
  • 社内の経理や勤怠の道具
  • 個人・ファミリー向けのもの

大きさはそろっていません。それでも、「新しく始めるときにフォルダを 1 つ作る」という習慣だけは 8 か月変わっていません。この数え方がいちばん実態に近いと考えています。

GitHub のリポジトリ数で数えない理由もあります。100 本のうち 46 本は、リポジトリを作っていないフォルダです(試作や資料づくりなど)。GitHub で数えると、規模を半分近く小さく見せてしまいます。

増え方

最初の 2 本は 2025 年の秋に始めています。本格的に増えたのは 2026 年 2 月からです。

月始めた数累計
2025 年 10〜11 月22
2026 年 2 月1315
3 月1732
4 月1648
5 月1563
6 月1376
7 月1288
8 月795
9 月(23 日まで)5100

2026 年に入ってからの 98 本は、およそ 2.7 日に 1 本のペースです。多い週は 1 週間に 8 本を始めました(3 月の第 1 週)。1 日で 4 本始めた日もあります(4 月 10 日)。曜日で見ると水曜日が 25 本でいちばん多く、火曜日は 7 本でいちばん少ない。理由はまだわかりません。

いま動いている数

「始めた数」だけでは、作っては放り出しているのか、回し続けているのかがわかりません。そこで、最後に手を入れた日も数えました。最後のコミットか、ファイルを最後に更新した日のうち、新しいほうです。

最後に手を入れた日本数
この 7 日以内15
この 30 日以内44
この 90 日以内59
90 日以上前41

直近 30 日に更新を確認できたのは 44 本、100 本の半分近くでした。ここで数えているのは「ファイルやコミットの更新があったか」です。使われているかどうか(実際に動いているか)は、この数字からは分かりません。更新のない道具でも毎日使われているものはありますし、更新があっても試作の段階のものもあります。

3 分の 1 は、3 日以内に更新が収まっている

始めた日から最後に手を入れた日までの長さも見ました。

  • 作成から最終更新までが 3 日以内のもの: 34 本(全体の約 3 分の 1)
  • 90 日を超えて続いているもの: 29 本。そのうち 25 本は、この 30 日にも手が入っている
  • 150 日を超えて続いているもの: 18 本

34 本を形で見ると、14 本が資料・設計のフォルダ、10 本が Python の短い処理でした。短い期間に作業が集まり、そのあと更新がない、ということまでは記録から分かります。それぞれが何を確かめ、なぜそこで手を止めたのかは、記録には残っていません(これは振り返りで取り上げます)。

短い期間で終わるものが多くあり、長く手を入れ続けるものが一部にある。数えてみると、この形は思っていたよりはっきり出ていました。

「始める」から「育てる」へ

月ごとに並べると、この夏に形が変わっています。

月始めた数コミット数
2026 年 2 月1328
3 月17132
4 月16290
5 月15508
6 月13496
7 月12507
8 月7756
9 月(25 日まで)5900

※ コミット数は git で管理している 54 本の合計(9 月 25 日まで)

新しく始める数は 8 月から半分になりました。一方で、コミットは 8 月に 756、9 月は 25 日の時点で 900 まで増えています。始める数を減らし、すでにあるものに手を入れる量を増やしている、と読めます。

コミットの約 8 割(3,618 のうち 2,961)は、Claude との共同作業として記録されています。この数字の意味は、第 6 回で Claude 自身に書いてもらいます。

何を作ってきたか

100 本を、ざっくり 6 つに分けました(ひとつのフォルダが複数にまたがるときは、主な目的で分けています)。

分類本数たとえば
支援先との実証35業務の見える化、顧客管理、研修の課題づくり
社内の業務・経営25秘書ダッシュボード、経費・給与、収支の見える化
公開している自社サービス12この Lab、まちスコア、カンパニー・ユニバース
道具・基盤・下見11開発環境の整備、通信の設定、技術の下見
個人・ファミリー向け10子ども向けの学習ゲーム、家庭向けの記録アプリ
学び・研修7社員のラーニングハブ、研修の運営

いちばん多いのは、支援先と一緒に回している実証です。その次が、自分たちの会社の仕事を置き換える道具です。「AI で何か新しいものを作る」よりも、「いまある仕事を 1 つずつ置き換える」ほうに数が寄っています。この傾向は第 2 回で詳しく見ます。

公開しているのは 6 本

この Lab で実演として公開しているのは 6 本です。100 本の 6%にあたります。

少ないのには理由があります。

  • 支援先との実証は、相手の業務やデータがそのまま入っているので、そのままでは出せない
  • 社内の道具は、社員の情報を扱っている
  • 個人・ファミリー向けのものは、利用者の生活に関わる情報を扱っている
  • 短い期間で終えた試作は、公開するための形には整えていない

それでも数を隠さずに出すのは、公開している 6 本だけを見ると、実際のやり方を読み違えるからです。1 本の完成度を上げることよりも、たくさんの小さな試みを同時に回し続けることのほうが、ここでの仕事の大部分です。

AI エージェントだから、100 本を始められた

100 本という数は、私ひとりの手では始められませんでした。AI エージェントと仕事をして、変わったと思うことがあります。

まず、始めるのが軽くなりました。「こういう道具があったら」と思った日に、フォルダを作ってエージェントに頼めば、その日のうちに最初の形ができます。100 本という数は、この始めやすさがあって生まれました。

それから、並行して回せるようになりました。エージェントとの作業は、プロジェクトごとに別の会話(セッション)として進みます。1 つの会話がテストを走らせているあいだに、別の会話で別のプロジェクトの相談ができます。直近 30 日にも 44 本で更新があったのは、この進め方によるものです。

そして、私の仕事の中身が変わりました。コードを書く量は減り、代わりに、何を作るか、どこまでで止めるか、できたものが正しいかを確かめる時間が、仕事の大部分になりました。

始めるのが速くなるほど、何を確かめ、どこで手を止めたのかを残しておくことが大事になります。これが次の振り返りにつながります。

振り返り

こうすればよかった

いちばんは、始めるときに「確かめたいこと」と「区切りの条件」を書いておけばよかった、ということです。短い期間で終えた 34 本が何を確かめたのかは、記録に残っていません。最初に 3 行書いておけば、その学びを次の 1 本に渡せました。

下見の段階から、変更の履歴も残しておけばよかったと思います。今回の集計では、履歴のない試作は、フォルダの日付から時期を読み取りました。

それから、区切りがついたものに、区切りの印をつけておけばよかった。90 日以上手を入れていない 41 本が、確かめ終えたものなのか、また使う日を待っているものなのか。1 行残しておけば、次に活かしやすくなります。

一般的なやり方と比べて

一般的なやり方私たちのやり方これから
実験は、仮説と終わりの条件を先に決めてから始めるまず動くものを作り、その場で確かめる(速さを優先)始めるときに 3 行だけ書く
作ったものは、変更履歴を残す続けるものは履歴つき。1 日で区切る試作には履歴のないものもある下見でも最初から残す
手持ちの案件は、定期的に棚卸しする毎月、始めた数と動いている数を集計している集計に「続けるか、区切るか」の判断を足す

私たちは、始める速さを優先してきました。これからは、その速さを保ったまま、学びを残す仕組みを足していきます。

次に試すこと(候補)

今後の運用の中で試し、続けるかどうかを決めます。

1. 新しいフォルダを作るときは、最初に 3 行だけ書く(確かめたいこと、区切りの条件、いつまでに確かめるか)。エージェントに頼むときも、この 3 行から渡す
2. 始めたら、すぐに変更履歴を残す。1 日で区切る下見でも、最初に git で管理を始める
3. 月初の集計で、しばらく動いていないものを並べ、続けるか区切るかを決める。区切ったものは、何が分かったかと一緒に 1 行で記録する

第 7 回で、この 3 つを試したかどうかと、その結果をまとめます。

次回

次回は、AI エージェントに渡している指示書(CLAUDE.md と AGENTS.md)を取り上げます。45 本の指示書から見えてきた 4 つの書き方と、次の開発へ引き継ぎたい決まりを、実物で見ていきます。


この記事の数字について
作業フォルダを数えるスクリプト(pnpm lab:scan)の集計です。対象は最初の 100 本で、2026-09-25 時点(日本時間)の値です。「始めた日」はフォルダの作成日と最初のコミット日の早いほう、「最後に手を入れた日」は最後のコミット日とファイルの最終更新日の新しいほうで、どちらも近い値です(フォルダの移動や、自動で作られるファイルの更新で前後することがあります)。コミット数は git で管理している 54 本の合計で、9 月 25 日で締めています。フォルダ名は顧客名を含むことがあるので、記事にもサイトにも出していません。トップページの「実験の規模」も同じ集計を使い、月に 1 回更新しているので、この記事より新しい数字になっていることがあります。

特集「100 本のプロジェクト」全 8 回

毎週木曜に 1 回ずつ公開

  1. 第 0 回

    100 本のプロジェクトの地図

    10/1 公開全文公開いま読んでいる回

  2. 第 1 回

    指示書は 4 回、形を変えた — CLAUDE.md と AGENTS.md の 8 か月

    10/8 公開予定会員は全文

  3. 第 2 回

    100 本の傾向 — 日々の仕事に関わるものが続き、ハブに集まっていく

    10/15 公開予定会員は全文

  4. 第 3 回

    再利用はコードより「節」と「ハブ」 — エージェントに渡すのは、書き方と置き場所

    10/22 公開予定会員は全文

  5. 第 4 回

    100 本作ると何が起きるか — 作る・決める・確かめる

    10/29 公開予定会員は全文

  6. 第 5 回

    経営者の仕事がどう変わったか(インタビュー)

    11/5 公開予定会員は全文

  7. 第 6 回

    相棒の側から — Claude が見た 8 か月

    11/12 公開予定会員は全文Claude(Anthropic の AI)が書いた回

  8. 第 7 回

    次の 100 本へ/御社で始めるなら

    11/19 公開予定会員は全文

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